住宅大手がSDGsで動く。取引先に対応要請

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森林認証「PEFC」を取得した木材(ミサワホーム提供)

住宅大手が取引先に国連の持続可能な開発目標(SDGs)対応を求める動きが広がっている。積水ハウスは2030年までに国際的な環境イニシアチブ「SBT」の指針に沿って二酸化炭素(CO2)排出量の削減に取り組むサプライヤーの割合を80%(20年度は18・6%)に引き上げる新指標を設定。大和ハウス工業は、30年までに木材調達で全サプライヤーに森林破壊ゼロの方針策定を求める。大手企業が動くことで、今後、中堅・中小企業へSDGsの普及が期待される。(大城麻木乃)

積水ハウス CO2削減の目標設定

積水ハウスは21年版の統合報告書で「サプライヤーSBT目標設定率」を初めて明記した。対象企業は約400社で、この8割にSBTに沿ったCO2の目標設定を求める。SBTは科学的知見に基づいたCO2削減目標の設定を促す国際的活動で、年2・5%以上の削減ペースを目安としている。積水ハウスの資材・原材料調達段階のCO2排出量は、同社の総排出量の37・7%(20年度)を占め、供給した住宅から排出される居住段階のCO2排出量(51・6%)に次ぐ大きな割合を占める。50年の脱炭素化に向け「自社だけの取り組みでは限界がある」(近田智也執行役員環境推進部長兼温暖化防止推進室長)とみて、取引先も巻き込んだCO2削減にかじを切る。

すでに2月に135社、4月に61社のサプライヤーを集め、SBT認定取得の方法を解説したり、サプライヤーの中でも先進的な取り組みを紹介したりする説明会を開いた。「今後は個別に支援を行っていきたい」(近田執行役員)とする。

大和ハウス 木材調達、森林破壊ゼロ

大和ハウスは約300社の合板メーカーや商社などのサプライヤーに対し、30年までの木材調達における森林破壊ゼロの方針策定を求める。方針を策定しないサプライヤーからの木材調達は原則禁止すると、強い態度で臨む。同社は創業100周年の55年までにグループ、グローバル、サプライチェーンを通じて「環境負荷ゼロ」を目指している。今回の取り組みも、この長期目標に沿った一環。

ミサワホーム 認証木材比率85%に

ミサワホームは森林認証を受けた木材の調達比率85%(19年度は82%)の目標を掲げ、約20社のサプライヤーと連携を強化。20年度に同目標を達成した。残る15%は国産材もしくは認証は受けていないが、きちんと管理された森林由来の木材と確認済み。

日本は海外ほど認証制度が普及していないことから、国産材は認証を受けていない木材が多いという。昨今の米中の木材需要の高まりで輸入材の調達が難しくなり、代替として国産材の採用が増加傾向にある。国産材の割合が高まる中、85%の高い調達比率を維持していくことが今後の課題と認識し、さらにサプライヤーとの連携を深めていく。

大手企業が高い目標を掲げ、サプライヤーをけん引していくことで住宅業界におけるSDGsが浸透していきそうだ。

日刊工業新聞2021年6月24日

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