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スマホで年金受け取り見込み額が容易に分かる。厚労省が試算手法を開発する狙い

厚生労働省は個人が将来受け取る公的年金の見込み額を簡易に試算する手法を独自ウェブアプリを活用し開発する。専用サイトにログインせずに、スマートフォンなどを使って容易に確認できるようにする。年金を可視化する利便性を高め、利用者の将来に備えた資産形成を支援する。2022年4月の運用開始を予定している。

利用者はまず、厚労省のホームページ内に公開する予定のページ「年金簡易試算ウェブ」にスマホなどから接続。次に見込み額に関連する情報を収録した「ねんきん定期便」の2次元コード(QRコード)を読み取る。その上で、表示された画面上に必要に応じて生年月日や今後の働き方などの条件を入力・設定すると、試算結果がグラフなどで示される。

CSV形式でデータ化した情報をもとに利用者が希望すれば、民間企業が運営する資産管理アプリケーション(応用ソフト)などと連携することも想定する。

年金の受取見込み額は現在、日本年金機構のサイト「ねんきんネット」からログインすれば、過去の納付状況などを含む詳細内容を試算できる。ただ、この方法ではユーザーIDとパスワードを入力し、ログインする手間がかかる。

開発する簡易手法では操作するスマホやパソコンなどの端末は計算にしか使わず、個人情報はサーバーに記録されないことから、安全性は確保できるという。

日刊工業新聞2021年6月15日

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