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業績回復のホンダ系サプライヤー、電動化へ強気の投資に舵切る

業績回復のホンダ系サプライヤー、電動化へ強気の投資に舵切る

4月に就任したホンダの三部敏宏社長。将来の電動化戦略が試される(公式ツイッターより)

ホンダ系部品メーカー8社の業績が回復傾向にある。2022年3月期連結業績予想は、未定としたテイ・エステックとエフテックを除く全6社が営業増益を見込む。前期は8社中で営業増益は5社だった。新型コロナウイルス感染症の再拡大や、半導体の供給不足による生産調整などのリスクはあるが、経済は持ち直しており、受注は増加傾向だと予想する。今後のさらなる市場回復や、ホンダが掲げる電動化戦略に対応するため、投資を積極化する方針だ。

テイ・エステックとエフテックは半導体不足の影響を合理的に見通すのが困難だとして、22年3月期の業績予想を未定とした。ただ市場が回復基調にあることを背景にテイ・エステックは、米国や東欧でシートの増産に向けた投資を進める。保田真成社長は「競争力を高めていく」と意気込む。

強気の設備投資はトレンドの一つ。ジーテクトは13日、中国・広東省広州市に子会社を設立し、3カ所目となる工場を23年4月に稼働すると発表した。投資額は約3億7600万元(約61億円)。中国で電気自動車(EV)市場が急拡大する中、同社の車体プレス部品のニーズも増えると見込む。またエフ・シー・シーは前期比約2倍となる125億円の設備投資を計画し、国内外で生産能力を高める。

ホンダは40年に世界で販売する全ての4輪車を、EVと燃料電池車(FCV)にする方針を打ち出した。テイ・エステックの保田社長は「電動化しても(同社製品の)シート自体はなくならない」としたが、「対応できるように軽量化などの準備はしている」と説明する。

21年3月期はユタカ技研と八千代工業を除く6社が減収。コロナ禍による工場稼働停止や完成車メーカーの減産が響いた。中国市場はいち早く回復し、それ以外の地域も夏以降は回復基調となったものの、期末に半導体不足の影響が拡大し自動車生産の勢いが鈍った。

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