日産やソフトバンクなどが事業化目指す「移動会議室」とは?
日産自動車、ソフトバンク、大日本印刷、ゼンリン、クワハラ(横浜市旭区)の5社は25日、自動車で移動中にウェブ会議ができる「移動会議室」の実証実験を、6月28日から東京都と神奈川県で約3カ月間実施すると発表した。ミニバンの後部座席を改装し、通信環境を含めてウェブ会議が問題なく行える環境を整備。実証を通じて新たな移動サービスの価値や需要を検証する。時期は未定だが、事業化を目指す。
日産の高級ミニバン「エルグランド」の2列シートを活用。後部座席の前面に32インチのディスプレーを設置するなど、会議室に必要な機能を搭載する。ウェブ会議用の通信回線にはソフトバンクの第5世代通信(5G)を含むネットワークを利用。前席に会話の内容が漏れないよう、後部座席との間に遮音壁を装備し、秘匿性も高める。
タクシー会社のクワハラがこの車両の運行サービスを提供する。会議終了前に目的地に到着した場合、大日本印刷の専用コミュニケーションツールで運転手と連絡を取り、駐停車が可能な場所に車両を止めて、会議が終了するまで利用できるようにする。
日刊工業新聞2021年5月26日