小林会長が退任する三菱ケミカル。ギルソン新社長のパートナーの名前

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退任する小林喜光氏

経営戦略“相方”必要

三菱ケミカルホールディングス(HD)は19日、小林喜光会長が6月24日付で退任すると発表した。取締役は留任する。小林会長の東京電力HD会長就任に伴い、両社の会長兼務を避けるため。会長職は空席となる。4月に就任したジョンマーク・ギルソン社長の企業変革の手腕が一層問われる。(梶原洵子)

三菱ケミ経営を10年以上リードし、同社の“顔”でもある小林会長の退任は大きな衝撃となる。3月末まで社長を務めた越智仁取締役も6月24日付で取締役を退任する。ギルソン社長は、新しい視点での改革実行を期待されて就任したが、1人で成し遂げられることではない。各事業の状況や人材、技術、これまでの経営戦略に詳しい“相方”が必要だ。

ギルソン社長は4月に小林会長の東電HD会長就任が報じられた際に「ガバナンス(企業統治)の効いた会社として何が起きてもいいように準備できている」と語っていた。会長職は空席となるが、小林会長が取締役として残ることに加え、同社はこれまでガバナンス体制の強化に先進的に取り組んできた。執行では、経営戦略などを担当する池川喜洋代表執行役常務がギルソン改革のパートナーとなりそうだ。

気になるのは、対外的な“三菱ケミカルHDの顔”の役割を誰が担うのか。越智取締役は過去の取材で「小林会長は政治や経済界にインパクトがある。外部の経験が社内に影響を与えてきた」と語っていた。同社は国内化学業界のトップ企業でもあり、政財界への影響力は業界の発展とも切り離すことはできない。

新社長や、グループ各社を含めた経営陣らがこれまで以上に外へも目を向け、新しいものを取り入れ、外部を巻き込みながら、改革に取り組む必要がある。

東電の経営が揺らぐきっかけとなった東日本大震災で、三菱ケミカルHDは停止した主力プラントの早期復旧を小林会長の大号令によって成し遂げた。石油化学業界関係者は、「社員の人たちが頑張ったということではあるが、小林会長の強いリーダーシップを感じた」と振り返る。

小林会長はかねて「経営は駅伝のようなもの」と語っていた。三菱ケミカルHDの変革への大号令を残し、しっかりと改革のバトンをつなげるのか。新経営体制に課せられたミッションである。

日刊工業新聞2021年5月20日

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