高齢者の見守りシステム、コロナ患者の状況観察に活用へ
サークル・ワン(大分県別府市、一丸敏雄社長)は、自社開発した見守りシステムの用途拡大に乗り出した。従来の高齢者や留守宅の見守り、防犯用途に加え、自宅療養する新型コロナ陽性患者の状況観察にも利用できるシステムとして自治体などへ利用を呼びかける。試験的に無料での貸し出しも対応する。
システム名は「アポロン」。リモコン部となる本体、人感センサーなどで構成する。本体にマイクやスピーカー、カメラを備え、相手の様子を見ながら会話できる。
人感センサーの前を通過する状況から、対象者が普段どの程度行動しているかのデータが得られる。通常の生活習慣から変化が見られた場合は、何らかの異常が発生していると自動的に判断。登録されたスマートフォンなどへ通知する。必要に応じて警備会社への出動要請もできる。
自宅療養する新型コロナ患者の状況確認は保健所の職員らが電話で状況確認を行う手法が主流で人手と時間を要する。一丸社長は「センサーである程度の現状把握ができる。異常が感知されたときのみ自宅訪問するなどの対応をすればよいのでは」と安否確認の連絡業務効率化のための手法として提案する。
これまでに全国で約150台を設置した。インターネット環境があれば月額3300円(設置費用は別途)で利用できる。自治体のほか、新型コロナで売り上げが減少しているタクシー会社などにも売り込む。
日刊工業新聞2021年5月14日