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見守りシステムで作業員の異常を素早く通知

エレコムのIoTシステム、ヒヤリハット削減も
見守りシステムで作業員の異常を素早く通知

見守りシステム(左が壁や天井に設置する通信機器、右が作業員が身につけるセンサー端末)

 エレコムは作業員の異常を責任者に素早く知らせる製造工場向けIoT(モノのインターネット)システムを7月に発売する。作業員が身につけた小型のセンサー端末が転倒情報を感知すると、ブザーを鳴らしながら責任者のパソコン(PC)に通知する。人手不足を背景に、製造現場では本来は複数人で行う作業を1人で担うケースが増加。緊急時に発見の遅れが懸念されており、こうした課題を解決する点を特に中小工場にアピールする。

 新システム「見守りシステム」は、エレコム子会社のディー・クルー・テクノロジーズ(横浜市港北区)が開発、「エレコム」ブランドで発売する。料金は、100メートル四方の工場で作業員20人が利用する場合、月10万円(消費税抜き)、作業員が身につけるセンサー端末などの初期費用が200万―300万円(同)。初年度50社への販売を目指す。

 作業員はスマートフォンより一回り小さなセンサー端末を身につける。転倒して30秒間起き上がらなかった場合、壁に設置した通信機器を通じて管理者のPCに転倒した場所などを通知。さらにセンサー端末からブザー音が鳴り、異常事態を周囲に知らせる。

 見守りシステムで使う通信端末は全て乾電池や太陽電池で稼働するため、電源の敷設工事が必要なく導入しやすい。収集したデータはクラウド上に蓄積し、転倒が多い箇所を可視化して把握できる。事故が起きやすい「ヒヤリハット」の削減にもつなげられる。

 今後はセンサー端末を充電式にするなどで小型化する。現在は手のひら程度の大きさだが、20年度には腕時計ほどにする予定だ。

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