日本電気硝子が370億円を投じてガラスファイバー製造設備を新設するワケ
【大津】日本電気硝子は自動車部品などに使われるガラスファイバーの製造設備を新設する。マレーシアの生産子会社に370億円を投じてガラス溶融炉などを導入。2022年10月の生産開始を予定する。自動車部品や風力発電の風車ブレード向けに拡大するガラスファイバー需要を取り込む。
生産子会社のニッポン・エレクトリック・グラス・マレーシア(セランゴール州)は、日本電気硝子のガラスファイバーの約45%を生産する主力工場。原料の調合設備やガラス溶融炉、成形設備などを導入する。同社のガラスファイバーは自動車部品などの樹脂強化に用いられ、日本や欧米など世界5拠点で製造している。
同社によると、ハッチバックドアパネルや天井材などに使われる自動車部品向け、風車ブレード向けの需要は20年下半期(7−12月)から急速に回復しているという。今後は電気自動車(EV)や風車ブレード大型化、洋上風力発電の市場拡大など安定成長が見込める。
同社はガラスファイバーを含む「機能材料・その他分野」で21年12月期に20年12月期比約4割増の売上高1500億円を目指す。
日刊工業新聞2021年5月12日