軽自動車のEV開発が本格化。価格と利便性の間で見いだす現実解は?

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日産は19年に披露したコンセプト車「IMk」をベースに軽EVを開発

軽自動車で電気自動車(EV)の開発が本格化している。ホンダは2024年の軽EVの投入を表明。日産自動車と三菱自動車は22年以降に共同開発した軽EVの発売を、スズキは25年までに軽EVに関わる電動化技術の確立を目指す。“国民車”として普及する軽は手頃な価格や使い勝手が支持されてきた。ただEVのコスト上昇の主因とされる電池は航続距離とも関わる。価格と利便性の間でどのような現実解を見いだすか注目される。

「30年に(日本で)ハイブリッド車(HV)を含めて100%電動車にすることを目指す。この実現に向けて最も販売台数が多い、軽自動車の電動化がキーとなる」。ホンダの三部敏宏社長は23日の社長就任会見で、40年までに世界と同様に日本も新車販売のすべてをEVや燃料電池車(FCV)に切り替える方針を表明。その中でHVやEVによる軽の電動化に取り組む意向を強調した。

軽のEVを巡っては、日産が連合を組む三菱自と共同開発を推進。三菱自は20年に水島製作所(岡山県倉敷市)に約80億円を投じ、ラインの増設などにも取り組む。開発中の軽EVのモデルとされるのは、日産が19年に公開したコンセプト車「ニッサンIMk」。街中での利用を想定した「シティコミューター」として開発される。航続距離などは未公開。車の移動距離は1日90キロメートルの利用者が約9割を占めるとの調査があり、街乗りでの利用を想定して航続距離200キロメートル前後のEVが開発されるケースも多いという。

日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は日本には軽しか相互通行できない道が85%を占め、軽は「完全なライフラインだ」と強調する。一方、電池はEV製造コストの約3割を占めるとされ、軽EV普及のカギを握る。電池容量を高めれば十分な航続距離を確保できるが、手頃な価格の維持は難しくなる。短距離での利用に絞るなど、普及価格帯でどのような価値を提供するかが問われる。

日刊工業新聞2021年4月27日

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