全国でロボSIerの即戦力を育成するエイジェックの教育力

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文系出身の新卒は基礎から教育

エイジェックは2001年設立の人材サービス企業。同社がロボットシステム開発(SI)事業を手がけるグループ会社「エイジェックO&Mインテグレート(OMI)」を立ち上げたのは2018年のことだ。「顧客の技術的な困りごとの解決を請け負う、新しいビジネスモデルを展開できないかと考えた」とエイジェックの栗原禎久常務は話す。

OMIの社員は現在300人ほど。ただエイジェックグループ全体では約1万6000人を擁し、約8年前からは毎年2000人規模の新卒を採用している。入社後、本人の希望や適正が合致した社員をOMIに配属する。「近年急速に普及し始めた工場ロボットに対し、システム開発や保守運用を担うSIerの数はまだ少ない。またSI事業者は一部大手を除き地場の中小が多く、新規採用に苦戦する企業もあると聞く。全国対応が可能な点は当社の強みだ」(渡部昌OMI社長執行役員)。

新卒の教育制度も充実している。エイジェックグループでは知事認定の訓練校を全国に50校保有。保全技能士向けをはじめ幅広いコースをそろえ、「文系出身の新卒社員でも国家資格が取れるように基礎から教育している」(渡部社長)。このうち30校に、18年からロボット訓練センターを順次設置した。実機やシミュレーターを設置し、ロボットのメンテナンスや導入のシミュレーションを学ぶ。

エイジェックが日立システムズと共同で開発・製造した学習キット「AToM(アトム)」を使った訓練も全国9拠点で行っている。アトムは学習用ロボットを顧客の製造現場にあるロボットに見立てたもので、それを使うことで実践的な訓練を可能とした。約60のエラーコードも記録しており、パソコンと連携させて設備の故障解析なども学べる。20年には、アトムを小型化して持ち運び可能にしたATEM(アテム)や、設備の稼働監視などIoT(モノのインターネット)を学べる装置も開発した。

社員のスキルアップを図り、「3年後をめどにOMIの売上高を100億円に伸ばしたい」(栗原常務)と意気込む。

【企業概要】

▽所在地=埼玉県さいたま市大宮区桜木町1の7の5▽資本金=1000万円▽売上高=4億3000万円(20年9月期)▽従業員=311人▽設立=18年(平30)10月

日刊工業新聞2021年4月20日

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