健康経営で生産性を維持したい、ベテラン技術者が支える中小企業の試行錯誤

田中電機研究所の取り組み

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健康経営についての説明会を定期的に開催

田中電気研究所(東京都世田谷区、田中敏文社長)は、「健康経営優良法人」の認定を取得し2021年で3年目に入った。ダスト濃度計や電子機器などの主力工場を栃木県那須烏山市に置く。田中社長は「当社製品は多くのベテラン技術者が支えている。少しでも長く健康に働いてもらえる環境づくりが生産性の維持に重要だ」と健康経営を推進する理由を説明する。

先行して認定を取得した企業などから健康経営の話を聞き、採用にもメリットがあることなどから同社は17年ごろから認定の取得を目指した。それ以前に健康保険組合の健康優良企業を示す「銀の認定」を取得しており、これをベースとして可能な範囲を追加しながら取り組んだ。

社員に健康経営の理解を深めてもらいながら、健康を増進できる環境を整備していった。立花祐介取締役営業技術部部長は「喫煙率を下げるため、禁煙を促したり、専用の喫煙場所を設けたりして分煙した。自動販売機を甘い飲料から特定保健用食品のお茶やスポーツドリンクに転換もした」と振り返る。また各部に体重計と血圧計を配置し、いつでも測定できる。メンタルヘルスについても契約した窓口を設けた。

健康経営優良法人の認定を取得し3年目となり、課題も。「拠点が東京と栃木に分かれているため、統一した施策を打ち出しにくい」(立花取締役)。例えば「1日1万歩以上歩きましょう」という運動目標は東京の社員には有効だが、栃木ではクルマ移動が主体のため難しい。

認定の更新にも苦労がある。田中社長は「更新のたびに取り組むべき必須項目が増えていく。来年以降もさらにハードルが高くなる。中小企業には体力的に大変だ」と指摘。

それでも「社員が人生の多くの時間を企業の中で過ごす以上、少しでも長く健康に働けることが企業にとっての力になる」として健康経営の継続を宣言する。(編集委員・井上雅太郎)

日刊工業新聞2021年4月21日

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