キヤノンが医療機器の事業売上高を1.5倍の6000億円超へ、その戦略とは?

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主力CTの生産ライン(栃木県大田原市)

キヤノンは2025年12月期にメディカル事業の売上高を20年12月期比約1・5倍となる6000億円超に引き上げる。今後5年で100億円規模の設備投資に加え、最大30億円のIT投資を行う計画。M&A(合併・買収)や製販の体制強化も進め、主力のCT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)を拡販する。欧米をはじめとする世界市場でのシェア拡大と売り上げ増を狙う。

メディカル事業への投資を増やし、主力事業の一つに育成する。栃木県大田原市にある画像診断機器のマザー工場(写真)の生産設備を増強し、CT、MRIの性能向上や生産コスト低減を進める。人工知能(AI)開発も進め、画像解析システムなどの競争力強化を図る。

IT投資も世界規模で進める。分散していた経営システムを整理統合し、製造から販売まで一気通貫のシステムを構築する。営業情報を製造サイドで把握できるようにし、開発力を強化する。欧米の販売網も拡充する。

メディカル事業の売上高は約9割をキヤノンメディカルシステムズ(栃木県大田原市)が担う。CTの売上高は国内市場首位でX線撮影装置でも高シェアを握る。

キヤノンは25年12月期までの中期経営計画の中で売上高4兆5000億円以上を目指しており、メディカル事業では営業利益率10%を目標に据える。同社は18年に20年12月期にメディカル事業の売上高を6000億円弱とする目標を設定したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響などから達成できなかった。画像診断機器の市場では、大手欧米企業が高いシェアを握る。富士フイルムは、メディカルシステム事業の売上高を20年代半ばまでに20年3月期比の約2倍となる7000億円とすることを目指しており、競争が激しくなっている。

日刊工業新聞2021年4月23日

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