新型コロナの早期判断に活用、キヤノンがCTのフル生産継続へ 

緊急販売要請が世界中から

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CTなどは主に受注生産、完成まで2カ月以上の場合も(キヤノンメディカルシステムズの本社工場)

キヤノンは新型コロナウイルス感染症患者の診断に使うコンピューター断層撮影装置(CT)などのフル生産を5月末まで継続する。現状のPCR検査に時間がかかるため医療現場での早期判断にCTなどが活用されており、緊急要請を受けた全世界の医療機関に優先販売している。未曽有の危機に異例の供給体制で支援する。

子会社のキヤノンメディカルシステムズ(栃木県大田原市)はCTと、X線撮影装置の主要機器で2月後半からフル生産が続く。同社の滝口登志夫社長は「全世界の人々の協力と努力で5月半ばまでに(感染拡大を)収束させる目標でみんな頑張っている。5月中には特殊需要のピークが来ることを期待する」と沈静化を願う。

CTなどは主に受注生産。受注から完成まで2カ月以上かかる場合もあるが、「新型コロナ診断力強化に、緊急販売要請が世界中の政府や医療機関から来ている。割当先や販路を変えるなどの知恵を使って、医療機関に届ける活動を継続している」(滝口社長)と有事の特別対応をとる。

新型コロナによる肺炎は特徴的な胸部画像を示すとされ、感染者の診断にCTなどを利用する動きが広がる。国内外で撮影装置の需要が急拡大している。

同社の生産拠点は栃木県大田原市のマザー工場に加え、部品製造の中国・大連工場、超音波診断装置のマレーシア工場が操業中。感染防止策を講じた上での生産維持は容易ではなく、汎用部品の調達に一時支障が出たが、サプライチェーン(供給網)はすでに正常化したという。

日刊工業新聞2020年5月4日

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