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産業ロボットの周辺機器とシステム構築を一体提案、ダイヘンが狙う勝ち筋 

産業ロボットの周辺機器とシステム構築を一体提案、ダイヘンが狙う勝ち筋 

六甲事業所でデモ展示している産業用ロボット

ダイヘンは産業用ロボット事業において、周辺機器とのシステム構築をセットにした提案を強化する。ロボットシステムインテグレーター(SIer)との連携を増やして、レーザー加工や組み立てなどの用途提案の幅を拡大。中小企業のロボット導入を後押しする。2023年度までに国内でのロボット事業に占めるシステム構築とのセット提案の割合を、現在の15%から30%へ引き上げる。

ダイヘンのロボット事業はアーク溶接分野が中心。そのため現在、レーザー加工、組み立て、研磨など溶接分野以外の提案強化を進めている。国内のロボット生産では提案の6−7割が外部のSIerを介してシステム構築している。ただSIer各社は独自の専門分野に特化しているケースが多い。提案の幅を広げるためには、さまざま専門分野のSIerとの連携する必要がある。

欧米地域におけるダイヘンのロボット事業は、全体の約30%がシステム構築とセットで提案している。だが日本国内ではロボット単体での販売が中心。今後は国内においても欧米並みの水準に引き上げることで、サポート体制の充実化や顧客との信頼関係の強化につなげる考え。また外部のSIerを介さず、ダイヘン内部のSIer部隊がシステム構築を担う場合もある。

同部隊はロボットの主要工場である六甲事業所(神戸市東灘区)のライン自動化対応も手がける。そこでは6月までに主要なロボットの約95%が自動生産となる見通し。ダイヘンは、こうした自社の生産効率化のために進めてきたシステム構築のノウハウを、顧客へのロボット提案においても活用する方針だ。


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日刊工業新聞2021年4月19日

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