DMG森精機が中国に新工場建設へ。車・半導体装置向けに工作機械を年1000台に倍増

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生産が急回復しているDMG森精機の天津工場

DMG森精機は中国に新工場を建設する。2025年1月に稼働を始める予定。既存工場と合わせて現地生産能力を現在比約倍増の年間1000台に引き上げ、成長する中国市場を深耕する。中国ではコロナ禍からの経済回復が続き、幅広い業種で工作機械の需要が伸びている。他社でも中国市場の成長を見据えて設備投資の動きが広がっており、工作機械需要の潮目の変化が鮮明になってきた。

DMG森精機の新工場は天津工場(天津市)の隣接地に建設する予定。設備投資額は30億円規模と見られる。

現在の天津工場は13年10月に稼働を開始し、中国市場の戦略機である横型マシニングセンター(MC)「NHC」や立て型MC「CMX」を生産している。また、加工対象物(ワーク)を工作機械に自動搬入・搬出する「LPP」などの自動化システムの組み立ても担っている。

同社は、中国でのインフラ関連や半導体製造装置向けに工作機械の受注が伸び、20年12月期は全体受注額(2797億円)に占める中国比率は前期比2ポイント増の10%に拡大した。

天津工場はすでに22年2月まで受注残で埋まっている状況。現地では今後も自動車や半導体製造装置関連からの需要増加が見込めるため、工場増設により対応する。


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工作機械、成長市場で増産

工作機械市場は回復傾向が続いており、そのけん引役となっているのが中国市場だ。自動車をはじめ、スマートフォンやパソコンなどの電子機器、半導体製造装置、インフラ関連など多様な業種で需要が広がっている。

日本工作機械工業会(日工会)によると、2月の中国向け受注額は前年同月比4・1倍の302億円と9カ月連続で増加した。2月は春節休暇の影響が含まれるものの18年4月以来34カ月ぶりの300億円超えとなり、外需全体に占める割合も4割を上回るなど、「需要の強さが浮き彫りとなった」(日工会)格好だ。

中国政府が電気自動車(EV)の普及促進や半導体産業の育成による経済成長を目指す中で、今後も工作機械の需要も拡大が見込まれる。

DMG森精機の森雅彦社長は「中国市場は今後も伸びていく」と予想。製造業の発展とともに、「自動化・省人化ニーズが強まるはずだ」(シチズンマシナリーの中島圭一社長)という声もある。

中国の旺盛な需要に対応するため、業界では供給体制を強化する動きが相次いでいる。

シチズンマシナリー(長野県御代田町)は21年夏に山東省で新工場を稼働し、自動旋盤の生産能力を現在比最大2倍に高める計画。ツガミも21年内に安徽省で新工場を稼働させる予定。

ブラザー工業は、小型MCや工業用ミシンを生産する西安工場(西安市)を3月に増築し、同工場の工作機械の生産能力を従来比約倍増させた。

また碌々産業(東京都港区)は、静岡工場(静岡県焼津市)で従業員への残業要請や部材・部品の先行発注に取り組んでいる。2月に中国などアジア向けに獲得した大口受注に対応するため、生産能力の現在比最大2割増加を目指す。

日刊工業新聞2021年4月14日

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