ワタミ運営の焼肉屋で配膳ロボットが大活躍!「なしでは現場が回らない」

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焼肉食べ放題の「かみむら牧場」で下膳するサービィ

ワタミは運営する焼肉店で配膳ロボットを活用している。特徴は料理を運ぶ専用の搬送レーンと、ロボを組み合わせて配膳を自動化している点だ。料理を運ぶ速度は搬送レーンの方が速い。レーンの届かない個室などにロボで料理を届ける。ルートは固定だが高速な専用レーンと、自動走行で柔軟に届けられる配膳ロボを店舗の形に合わせて組み合わせた。ロボットを使いこなしコロナ禍を乗り越える。

「現在のレベルの配膳ロボを使い尽くす。ロボットに合わせて店のオペレーションを作り上げた」とワタミ執行役員の新町洋忠焼肉営業本部本部長は振り返る。「焼肉の和民」では居酒屋だった店舗を焼肉店へ転換していく。

焼肉店は注文数が居酒屋の3倍に増える。それに伴い、運ぶ皿の数も増える。一日100万円を売る店では居酒屋はホールスタッフが7―8人、焼き肉では10―12人必要だった。これを搬送レーンと配膳ロボの導入で4人に抑えた。

席に設置したタッチパネルを通じて注文を受けるとレーンか配膳ロボが席まで運ぶ。お客はお肉を受け取ったら自分で焼いて食べるだけだ。

配膳ロボは各席を回り空いた皿がないか聞き、皿の回収作業も担う。お皿はお客にロボに載せてもらう仕組みとした。新町本部長は「お皿を『お下げしてよろしいですか?』とお客は遮られることがない」とのメリットも説く。ロボを無視しても気を使わないで済むため、お客は食べ放題では食べることに集中できる。

おいしいお肉の焼き方を説明するといった店員による接客で顧客満足度を高める面もある。ロボの活用でこうした機会が減る懸念があった。そこは、お肉のおいしい焼き方をプロの料理人が解説するコンテンツをタッチパネルに用意しカバーする。新町本部長は「もうロボットなしでは現場が回らない。現場がロボを使い倒せるまでになった」と目を細める。

食べ放題後のテーブルは皿が散乱するのが常だ。ロボが皿の回収に巡回することで皿がたまりにくくなった。定期的に空いた皿の数が減っていくため、最後の片付けの時間が6分37秒から4分49秒と27%短縮された。これは配膳ロボを提供するソフトバンクロボティクス(東京都港区)が映像分析で確かめた数字だ。

焼肉の和民では、配膳ロボが入れる個室を作った

成果を挙げられたのは「一緒に店舗を開発できたことが大きい」と新町本部長は振り返る。店舗の通路幅は110センチメートルに設計しロボと人がすれ違えるようにした。配膳ロボはテーブルにギリギリまで近付き、お客が腰を浮かさなくても手が届くよう機能を開発している。

配膳ロボはソフトバンクロボティクスから「サービィ」、日本システムプロジェクト(同新宿区)から「ピーナツ」を導入した。

新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、人と人との接触を極力減らし焼き肉食べ放題の仕組みを確立した。

日刊工業新聞2021年4月12日

COMMENT

小寺貴之
編集局中小企業部
記者

ロボット化で雇用が失われるという批判もありますが、ワタミはロボット活用でお店をコロナ禍でも維持しています。日販100万円で月に9800人が来店し月3200万円以上売り上げました。効率化した分は和牛の食べ放題として食材の原価に当てているそうです。一店舗当たりのホールスタッフの数は抑えても、料理がでれば厨房は忙しくなり、和牛目当てのお店が増えれば雇用が増えます。こうした雇用の守り方もあるといえると思います。

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