「海鮮ひつまぶし」に「カレー担々麺」…人気飲食店が倒産に追い込まれたダメ押し

虎杖東京、関係会社の信用不安にコロナがとどめ

  • 0
  • 0
各業態で積極的に新規メニューを開発した虎杖だったが(写真はイメージ)

飲食店を運営していた虎杖東京が、7月7日に民事再生手続き開始決定を受けた。同社は2002年11月に設立。すし店を中心にカレー担々麺店、焼肉店などさまざまな業態の飲食店を運営していた。各業態において積極的に新規メニューを開発。「海鮮ひつまぶし」「桜海老 鯛らーめん」などが人気を博し、マスコミでも多く紹介されるなど高い知名度を誇っていた。

既存店近くに店舗を複数出店したことや、複数業態の展開によってスケールメリットを追求。「日本橋 ま石」「築地虎杖」などのすし店や海鮮料理店を運営し、訪日外国人観光客などを取り込み、19年9月期には年売上高約39億3300万円を計上していた。

しかし、19年末頃に関係会社において取引先の紹介で始めた家電製品を商材とした取引の大部分が架空取引だったことが発覚。金融機関からの借入金の返済においてデフォルトを起こす事態となっていた。

その結果、関係会社に対して約12億8000万円の連帯保証を行っていた同社の動向が注目されるなか、新型コロナウイルス感染拡大の影響による営業自粛要請や、緊急事態宣言の発令などから売り上げは大幅に減少。一部の金融機関への返済が滞り、返済猶予を申し入れる事態となっていた。

しかし、営業環境は改善せず、営業を継続することによる費用負担が困難となったことから、運営店の多くを閉鎖。その後も再建を目指し、自力再生や事業譲渡も検討したが奏功せず、6月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

経営破たんの理由は関係会社で信用不安が発生したことと、新型コロナ感染拡大による事業環境の悪化。連帯保証についても、もし新型コロナが発生せず、従前の店舗運営が可能であったならば弁済の可能性も残されていたことだろう。飲食店を中心に業績の悪化要因となっている新型コロナ。同社についても破たんへの最後の一押しとなった。

(文=帝国データバンク情報部)

キーワード

関連する記事はこちら

特集