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シーメンスヘルスケアが救急災害医療向け大型車両。へき地の現場で力

シーメンスヘルスケアが救急災害医療向け大型車両。へき地の現場で力

救急災害医療用の大型車両の内部(上)と外観(イメージ=シーメンスヘルスケア提供)

シーメンスヘルスケア(東京都品川区、森秀顕社長)は、救急災害医療向けの大型車両を発売した。CT(コンピューター断層撮影装置)や超音波撮影装置、検体検査装置などを車両に搭載し、災害医療や感染症検査、健康診断などに活用できる。まずは2021年秋ごろに伯鳳会東京曳舟病院(東京都墨田区)に導入する。価格は非開示。今後、医療機関や官公庁などへ販売する。

今回発売した「メディカル・コネクス」は「医師や患者、災害現場、医療ニーズなどをつなぐのがコンセプト」(森社長)。読影医がいない状況でも医師が診断できるよう医師の診断を支援する人工知能(AI)を搭載した画像診断支援システムを備え付けた。タブレット端末とリモコンで操作できるCTを積み、車内の省スペースを図った。災害時は多目的用途の電源が必要となるため、検査車両とは別に電源用の大型車両も用意した。「今後、海外への展開も検討する」(同)という。

車両を導入する伯鳳会東京曳舟病院は、災害時に医療救護所などとして活用することを想定する。「山間部、へき地の災害現場では特に力になる」(同病院の山本保博病院長)と期待する。

日刊工業新聞2021年4月6日

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