コンテックがラズパイ対応の拡張ボードを発売へ、FA機器組み込みで描く勝ち筋
コンテックは、小型シングルボードコンピューター「ラズベリーパイ(ラズパイ)」対応の拡張ボード「CPIシリーズ」を26日に発売する。高信頼なデジタル入出力インターフェースや、可用性・保守性を付加する「RAS機能」などを拡張することで、ラズパイをFA(工場自動化)機器などに組み込みやすくする。産業向けにラズパイを活用する市場に本格参入し、年間5000台の販売を目指す。
デジタル入出力インターフェースの種類などに合わせ、7種類をラインアップ。ボードのスタック接続の規格の仕様を拡張することで、最大8枚まで増設可能とした。現時点で価格は未定。2021年夏には、アナログ入出力インターフェースなどの機能を拡張できる製品も追加する予定だ。小牧事業所(愛知県小牧市)で生産する。
ラズパイは、中央演算処理装置(CPU)やUSBポートなど最低限の部品が搭載されたむき出しの基板で、プログラミング教育用や企業の試作開発用として広まっている。学生や若手技術者でも扱いやすく、小型で低コストな開発を実現できるのが特徴だ。近年はFA機器などへ組み込むなど産業用途も拡大。18年6月時点では、月産台数の約6割が産業用途という。
コンテックは産業用コンピューターなどの電子機器製品事業を主力とする。同事業で培ったノウハウを生かし、ラズパイの分野でも存在感を示したい考え。
日刊工業新聞2021年4月6日