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英教育誌が選んだ「教育充実度」が高い大学、2位は国際基督教大学で1位は?

英教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)は、日本の大学教育力の「THE世界大学ランキング日本版2021」で、新型コロナウイルス感染症の拡大渦中での学生調査など発表した。これを含む「教育充実度」のランキングは1位が国際教養大学、2位が国際基督教大学と変わらなかったが、5位東京工業大学(昨年は9位)、9位津田塾大学(同15位)、12位東京理科大学(同22位)などが順位を上げた。

今回の日本版教育ランキングの対象校は278大学。4指標のうち教育充実度は、学生調査(全体の18%)と高校教員の評判(同12%)からなる。教員・学生の交流、協働学習の機会の程度、授業・指導の充実度など新型コロナの対応で変化がでやすい部分だ。

今回、大学生活全般の学生満足度を15要素で聞いたところ、もっとも評価が低いのは「学資の支援」でこれに「生活費支援」が続いた。「オンラインの資源」も低いが、「クラスサイズ」「コースの内容」は高評価で、学生はオンライン授業のよしあしを実感しているようだ。THEの担当者は「学生満足度はよい値をキープすることが重要。今後、どのように変わるか注目だ」としている。

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日刊工業新聞2021年4月1日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
THEの発表では、各大学の教育充実度のランキング順位の理由は明らかにされておらず、想像するしかない。東工大と東京理科大は理工系単価大学で、実験や演習など対面なりきめ細かな指導なりが低学年でも欠かせない。その大変さが逆に、一方的な座学だけですませられる文科系大学とは違う満足度を、引き出したのだろうか。津田塾大は小規模で英語が強い点で1位の国際教養大学、2位の国際基督教大学の高評価と理由が重なるのではないかと想像する。いずれにせよ、学生満足度ががぐんと下がった大学は今後、どう対応するのか、気になるところだ。これこそが評価やランキングの存在意義、すべての大学によいよい教育を実現すべく頑張ってほしい。

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