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「かつお節」界の革命!非破壊で全数検査できる装置、IHIとヤマキが開発

IHIとヤマキは、かつお節の品質検査装置(写真)を共同開発した。光を照射し、非破壊で接触しないように検査できる。これまでは破壊検査だったため全数検査が難しかった。品質の安定化や歩留まりの改善につなげられる。ヤマキが原料として取り扱う、かつお節の品質検査での実証を始めた。原料を定量・客観的に評価することで「味のデジタル化」を目指す。

ヤマキでは熟練の検査員の目利きによる、かつお節の入荷時の品質検査と、破壊検査での成分の定量分析を通じて品質を確保している。しかし、人員が限られることで検査数が限定され、必要な技能の伝承にも時間がかかるのが課題だった。

両社は同装置で全数を検査できるようにする。人工知能(AI)を用いて熟練検査員の技能を学習する仕組みも取り入れる。匠(たくみ)の技を再現するとともに、技能の継承を後押しする。同装置に関連する特許を共同出願した。

IHIは今回の開発について、顧客との価値共創に向けたオープンイノベーションの一環で取り組んでいる。

日刊工業新聞2021年3月25日

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