前川製作所が豚もも肉の「脱骨ロボット」開発、AI搭載で人間と同じ速度達成

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脱骨ロボ「CELLDAS」(前川製作所提供)

前川製作所(東京都江東区、前川真社長)は、豚もも肉から寛骨や尾骨を抜き取る脱骨ロボット「CELLDAS(セルダス)」を開発した。大腿(だいたい)骨などを抜き取る装置と組み合わせることで、豚もも肉の脱骨除骨作業を全自動化できる。価格はセルダス6台の脱骨ラインで2億4000万円(消費税抜き)を想定。初年度は1ラインの販売を目指す。

6軸アーム3台で一つのブロック肉から骨を取り除く。投入したブロック肉はまず認識ユニットの3次元(3D)センサーで立体形状とエックス線(X線)で骨の配置を撮る。骨の形や向きは個体差があるため、人工知能(AI)技術で識別精度を高めた。骨の座標を特定したら脱骨作業をするロボットユニットに送る。あらためて立体形状を測り、ナイフを入れる軌道を計算する。

人の作業と同様にアームで肉を押さえて、別のアームでナイフを入れる。処理速度は1ユニットが1時間当たり90本。40秒で骨を抜く。作業者と同等の速度を達成した。

まずは寛骨と尾骨の作業を自動化した。ロボットで脱骨作業が完結するため、大腿骨などの他の骨のプログラムを開発すれば幅広い骨抜きに利用できる。前足の脱骨や骨付き肉の処理などを開発する予定。セルダスをプラットフォーム(基盤)として豚肉処理の混流加工ラインを構想する。

食肉センターなどでは人手不足が課題になってきた。自動化に加えて午前はもも肉、午後は肩肉などとプログラム一つで加工品目を変えられると変種変量生産に対応しやすくなる。


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日刊工業新聞2021年3月25日

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