京都の中小企業にダイバーシティーのロールモデルを見た!

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京都府内の「もにす認定制度」第1号認定企業として、障がい者雇用に注力する

西村製作所(京都市南区、西村久人社長、075・681・0351)は、採用活動にダイバーシティーの考え方を取り入れ、成長につなげている。厚生労働省の障がい者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度「もにす認定制度」に、京都府企業で第1号認定された。シニアや外国人なども積極採用。「人材が当社の要」(西村社長)と考え、多様な人材のシナジーで顧客満足度や業績の向上につなげる。(京都・大原佑美子)

西村製作所はフィルム、紙、アルミ箔(はく)用スリッターメーカー。カーボンや複合材のフィルムといった切れにくいものを精細に切断する高機能スリッターが得意だ。切断したい材料特性に合わせて最適な機械設定のスリッターを提案。受注1台ごとに設計担当者が付き、伴走型で仕上げる。そのため人材の確保・育成に最も力を注ぐ。

京都府で第1号の、もにす認定を受けたが西村社長は「特別な取り組みはしていない」と語る。同社は約6年前から障害者雇用促進法に基づいた一定数の障がい者雇用に取り組むため、府に相談。現在は精神障がい者3人を事務補助や組み立て、仕分け・検査作業で雇用している。

体調不良などをうまく言葉にできない社員に配慮し、「リフレッシュカード」を作成。体調に合わせてカードを持ち場に置き、定期的に休息する仕組みを導入している。真面目に業務に励む障がい者と時間を共にすることで互いを理解し、よい働き方のシステム構築につながっている。

もにす認定制度は認定企業が取り組み状況を公表することになっている。認定企業が地域におけるロールモデルとなり、その地域の中小企業全体で障がい者雇用の取り組みを促進することが期待されている。

同社は府と連携し、外部からの障がい者研修を随時受け入れている。1週間程度の研修を終了した後で、自信につながり他社に就職するケースもある。こうした成功事例を会合や工場見学などで地域と共有し、取り組みの輪を広げる考えだ。

シニア人材や外国人技能実習生、外国人正社員も意欲があり、良い人材であれば積極的に受け入れる。嘱託社員は組み立て工程や梱包(こんぽう)などに従事するが、有給休暇の取得や急な早退など言いやすい環境にある。風通しの良い風土が根付いており、離職率も低い。

同社は1月に創業75周年を迎えた。働きやすい環境の整備は仕事のパフォーマンスにつながる。主力のスリッターや2―3年前から販売強化するワインダー(巻き取り機)の受注が好調。2021年3月期の売上高は前期比約10億円増の64億円、当期利益は過去最高益を見込む。

西村社長は「良い時もあれば悪い時もある」と述べ、やみくもに増員や増産をしない方針。外注も活用しながら需給バランスを考え、技術を守る。多様な人材を活用した総合的な人材力により「25年3月期に世界のスリッターシェア500億円のうち15%を取りたい」と意気込む。

スリッターの組み立てを担当するシニア社員

日刊工業新聞2020年3月24日

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