ルネサス火災の復旧、UDトラックス社長「1カ月後の再開は難しい」
「できるだけサポートする」
UDトラックスの酒巻孝光社長(写真)は23日、本社(埼玉県上尾市)で開いた事業方針説明会で、19日に火災が発生したルネサスエレクトロニクスの半導体工場について、1カ月後の再開は「難しいのではないか」と指摘した。復旧に向け「我々(自動車メーカー)はできるだけサポートする」と話した。UDは同工場の復旧作業に支援要員を派遣している。ルネサスは1カ月後をめどに再開したい考えを表明したが、被災状況などから酒巻社長は影響長期化に懸念を示した。
一方、事業方針について、いすゞ自動車の傘下入りに関して酒巻社長は「順調に進んでいる」と述べた。現在はスウェーデンのボルボグループ傘下のUDを、2021年前半までにいすゞが買収する予定。商品戦略や調達、技術などで「(いすゞと)これから細かくすり合わせしていく」(酒巻社長)と話した。
25年までの経営方針も示し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成を重視する。「25年には日本の商用車メーカーでサステナビリティリーダーになる」(同)とし、脱炭素化やリサイクル技術の向上などを進める考えを強調した。
日刊工業新聞2021年3月24日