パナソニックが植物繊維濃度70%のペレットを開発、石油の過剰消費を抑制

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植物繊維の濃度70%のペレット

パナソニックは木材のセルロースファイバー(植物繊維)を含んだ成形材料を開発した。植物繊維の濃度が70%もありながら、石油由来プラスチック(樹脂)100%の材料と同じように商品に成形ができる。

開発の出発点となったのが、環境省が2015年に公募したセルロースナノファイバーの製造工程を省エネルギー化する研究事業だ。通常、木材のパルプを水中でほぐして細かい植物繊維にするが、乾燥に多くのエネルギーを消費していた。パナソニックは事業に応募し、石油由来樹脂の中でパルプをほぐす「全乾式プロセス」を開発し、大幅な省エネを実現した。ほぐれた植物繊維はそのまま樹脂と混ざり、成形材料になる。

「堅い状態でほぐす」。同社マニュファクチャリングイノベーション本部材料・デバイス技術部の浜辺理史主任技師は、パルプをほぐすこつを披露する。社内に蓄積されている電池材料の混練技術から「堅い状態でほぐす」の発想を得た。また「ゆるくならないように水を加減して混ぜるお好み焼き粉に似ている」という。

家電の製造を支えてきた技術も開発に貢献した。植物繊維の含有が増えると金型内を流れにくくなる課題に対し、金型や成形の技術で解決。19年には植物繊維の濃度55%の材料を使い、アサヒビールとリユースカップを共同開発した。だが「植物繊維の濃度が70%になると、55%と同じようには形成できない」(浜辺主任)と難易度が上がる。植物繊維の形状や添加剤、射出速度などを見直し、20年度に濃度70%の材料の成形法を見いだした。

パナソニックとアサヒビールは21年夏、植物繊維の濃度70%のカップを発売予定だ。石油資源の過剰な消費を抑制し、プラスチックゴミの削減にも大きな貢献ができる。(編集委員・松木喬)

【技術プロフィル】

植物繊維を70%含む成形材料。石油由来プラスチックの使用を大幅に削減できる。白色に成形できるので着色の自由度が高く、採用用途が広がる。また、着色剤を使わずに褐色化させて色むらを調整することも可能で、木質感を味わえる商品も作れる。

植物繊維含有の材料を18年発売のスティック掃除機に採用。19年に濃度55%の材料でアサヒビールとカップを共同開発し、21年夏には濃度70%の材料を採用したカップを発売する。

植物繊維を高濃度に複合しながらも機械的特性もあり、薄肉形成もできる。家電や建材、車載部品、日用品への展開も検討する。

日刊工業新聞2021年3月23日

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