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地震や異常気象で重要性高まる、急傾斜地の測量はドローンで

地震や異常気象で重要性高まる、急傾斜地の測量はドローンで

ワキタ子会社のCSS技術開発のオブリークカメラを搭載したドローンで撮影する(イメージ)

ワキタはグループ会社のCSS技術開発(東京都多摩市、大山竜吾社長、042・373・2100)を通じて、飛行ロボット(ドローン)を用いた急傾斜地の測量ビジネスを近く始める。5方向を同時撮影できる「オブリークカメラ」をドローンに搭載。斜め方向から画像を撮影することで、傾斜地やのり面の正確な測量を安全かつ短時間に行える。土木会社や測量会社から2021年度(22年2月期)に20件の受注を目指す。

ドローンの測量ビジネスでは、測量や画像解析はCSS技術開発の社員が現場に出向いて行う。測量作業は15―30分で終了する。画像データの解析作業を入れても1日あれば完了する。オブリークカメラは同時撮影できる方向が多いため、通常のカメラと比べて計測飛行の回数を減らすことができ、計測時間を短縮できる。

すでにドローンを用いて測量する会社もあるが、撮影画像の解析には専門ノウハウが必要で「ここで差別化する」(大山社長)。急傾斜地の状況は地点ごとに違うため、ドローンの飛行経路や撮影距離でも現場判断が必要になる。CSS技術開発はノウハウを持つ社員が約40人おり、人材の厚みも生かす。

地震や異常気象の大雨などで、崖崩れを予防する急傾斜地の測量の重要性が高まっている。急傾斜地の測量は人が足場を作った上で命綱をつけて斜面に登り、行っていた。危険が伴う上に足場などの構築作業に数日を要していた。ドローンを使用することで、人間が滑落する心配がなく、安全に測量することができる。

日刊工業新聞2020年3月19日

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