製品評価技術基盤機構（ＮＩＴＥ）は、環境保全や動物福祉に配慮したアパレル製品などを評価するテキスタイル・エクスチェンジ（ＴＥ）認証制度について、ケケン試験認証センター（ケケン、東京都文京区）を国内初の認証機関として認定した。今後アパレル関連企業はケケンからＴＥ認証を得ることで、自社製品が環境配慮製品であることを証明でき、消費者に訴求できるようになる。

ＴＥ認証制度は米民間非営利団体（ＮＰＯ）が運営する国際的な制度で、ＮＩＴＥも認定機関として登録した。近年、大手アパレル企業がＴＥ認証の取得を調達要件に課すなど、国内外で普及し始めている。ＮＩＴＥは国内で認証を取得しやすい環境を提供し、製品の適切性を担保してアパレル関連企業の競争力強化を後押しする。

仕組みとしてはＮＩＴＥが国内の認証機関を認定し、その国内機関がアパレル関連企業からの依頼に対応して認証する。糸加工や染色、小売りなど各工程ごとに認証でき、サプライチェーン（供給網）全体の信頼性確保が可能になる。今回、ケケンが認証機関に認定されたことで、アパレル関連企業はＴＥ認証を国内で取得できるようになる。

認証対象はオーガニック製品やリサイクル繊維を使った製品、動物福祉に配慮したウール・ダウンを使った製品など。アパレル関連企業は消費者に自社の倫理観や製品の適切性を訴求でき、国連の持続可能な開発目標（ＳＤＧｓ）の達成にも貢献できる。消費者もこうした製品を購入する機運が高まっており、ＴＥ認証のない製品は大手の流通網の中で競争力が低下する懸念もある。