本格化した22年度卒の就職戦線、コロナ禍で企業の採用方法はどう変わる?
コロナ禍にあって企業を取り巻く経営環境は大きく変化し、採用方法の多様化が進んでいる。2022年卒の大学生を対象とした採用活動も本格化。人工知能(AI)などデジタル技術の活用や、ジョブ型採用や専門職制度といった採用枠の活用も広がる。企業の採用意欲は依然旺盛だが、就職戦線の姿は変貌しつつある。
キリンホールディングスは22年新卒採用にAIを活用する。エントリーシートやPR動画の評価にAIを導入し、これらにかかる時間を3割削減する。23年以降の本格導入を目指す。
コロナ禍で始まったオンライン化も拡大。クボタは昨春始めたオンライン面接を継続し説明会やインターンシップ(就業体験)もオンライン化した。大成建設は22年春採用からオンラインによるセミナーやリクルーターの面談を実施。竹中工務店もセミナーや社員訪問、採用選考でリモートを本格活用する。
人材の多様化にも動く。KDDIは初期配属を確約したジョブ型を採用予定数の5割に拡大。対象も従来のデータサイエンスやエンジニアに加え、代理店営業や法人営業など12職種に広げ、個人の能力やスキルを生かす。SCSKは20年7月に新人事制度として、3000万円の給与も可能な「ADV職掌」を導入。社内外から複数の推薦があり現在選定中。谷原徹社長は新制度で「早期に10人、30年までに100人の採用を目指す」と話す。
グローリーは22年4月新卒採用からスカウト型人材採用を導入。応募を待つのではなく、登録されている特技や強みといった学生の情報を見た上で、学生へアプローチする。
日刊工業新聞2021年3月16日