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ボーリング調査よりも安価にできる土壌調査「原位置探査」、引き合いが増える理由

ボーリング調査よりも安価にできる土壌調査「原位置探査」、引き合いが増える理由

収集した土壌のデータを基に3Dで可視化できる(地盤環境エンジニアリング提供)

法定調査を安価で効率的に

地盤環境エンジニアリング(東京都北区、深田園子社長、03・5394・7230)は、土壌汚染対策の一環として土壌調査技術「ダイレクトセンシング(原位置探査)」を提案する。調査や工事に留まらず、顧客に寄り添うことで同業他社との差別化を図る。深田社長は「2020年の受注実績は数件ほどだったが、今後は年間10件を目指す」と意気込む。

原位置探査では地面に直径4センチメートルの穴を掘る装置「MIPプローブ」を使う。ヒーターで地中の汚染物を揮発させ、装置内部を循環するガスで捕捉し地上に送る。また、先端の電極で地中の電導率から粘土や礫(れき)などを判別する。センサー類を地面に直接打ち込むため、調査結果がすぐに分かる。調査費用は消費税抜きで1日当たり40万円程度。

調査から対策工事まで一貫して手がける同社は、穴を掘削するプローブの耐久性が向上したことで原位置探査を導入した。一般的なボーリング(掘削)調査より安価で、1メートル四方の狭い間隔で掘削しやすい。収集データを3次元(3D)イメージで表示できる。同社では地盤の特徴に合わせた適切な土壌汚染対策に役立てている。

土壌汚染対策法は特定有害物質26種を扱う工場などを更地にしたり、増設したりする場合に土壌調査を義務付けている。しかし有効な調査法は直径8センチメートルの穴を地中深くまで掘りサンプルを採取する掘削調査のみ。最低でも10メートル四方間隔で掘削しなければならず、汚染がひどい場合、その都度、掘削する必要があるため時間とコストもかかる。原位置探査は法定調査を効率的に行うための事前調査にも活用できる。

同社は顧客とともに行政に出向いたり、提出する文書の作成を一緒に手がけたり顧客に寄り添った支援を行う。最近は廃業に伴い、小規模工場の土壌調査の引き合いが増えているという。深田社長は「中小企業向けの提案に注力する。細かく丁寧な仕事で“かゆいところに手が届く”存在になりたい」と話す。(渋谷拓海)

日刊工業新聞2021年3月12日

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