「開発速度は米国の方が2―5倍速い」スペースX元社員が語る日米宇宙ベンチャー事情

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「ファルコン9」ロケット(同社のyoutube から)

宇宙VB、日米の差「資金規模」

起業家イーロン・マスク氏が率いる米スペースX。同社が開発した有人宇宙船「クルードラゴン」は民間企業がけん引する宇宙開拓の新時代の象徴だ。2011―12年の約1年間にわたり同社に勤務していた日本人、高橋有希氏に当時の開発現場の様子などを聞いた。(飯田真美子)

―どのような仕事をしていましたか。

「クルードラゴンの先代に当たる無人宇宙船『ドラゴン』の開発・打ち上げに携わっていた。雷の影響や大気との摩擦、静電気でも壊れない電子機器の開発などを手がけた」

―スペースXの仕事場の雰囲気は。

「他社に比べて給料は低かったが、やりがいを持ち夜遅くまで残って仕事をしている人が多かった。仕事に行くと部品が取り付けられ宇宙船の姿が大きく変わっていたり、宇宙船が遠くに移動したりなど、毎日光景が変わって楽しかった」

―スペースXでの経験を振り返って。

「成功には努力が必要なことを実感したし、成功は簡単ではないと身に染みた。イーロン・マスク氏が『失敗していないということは、十分やっていない証拠』と言っていたことが印象的だった」

―日本の宇宙ベンチャーをどう見ますか。

「開発速度は米国の宇宙ベンチャーの方が2―5倍速いと感じる。そうなっているのは、資金規模の違いが大きいのではないだろうか。人材の優秀さに差はないと思う」

高橋有希氏

【略歴】高橋有希氏(たかはし・ゆうき)10年米カリフォルニア大学院博士課程修了。スペースX、別の米宇宙ベンチャー勤務などを経て、現在は動物愛護団体のアニマルライツセンター調査員。静岡県出身。

日刊工業新聞2021年3月9日

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