ワープスペースが人工衛星通信に参入、24時間365日観測データを収集へ
ワープスペース(茨城県つくば市)は17日、光通信を使った人工衛星向けの通信インフラ事業を始めると発表した。宇宙空間にネットワークを構築し、人工衛星で地球を観測したデータを大量に地上へ送信できる体制を整備する。24時間365日観測データを収集できる。2023年春から実用化し、30年までに年間収益1000億円を目指す。
現在、地上500キロ―800キロメートルの低軌道には多くの人工衛星が周回している。ただ地上との通信範囲が狭くデータが送信できる時間が限られている。
ワープスペースは中継衛星を高度1万キロメートルに打ち上げる。それよりも低軌道を周回する人工衛星が捉えたデータを、中継衛星経由で地上局に送る仕組みを構築する。あえて地球から遠い中継衛星にデータを送って地球に届けることで通信範囲を広げる。
まず21日(日本時間)に米国で宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げる宇宙船「シグナス」にワープスペースが開発した超小型人工衛星「日輪(にちりん)」を搭載し、低軌道の電波や放射線環境を調査する。22年に中継衛星の1号機を打ち上げ、23年に2機を追加し合計3機を運用する予定。