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兼松が運転時の車両データをAI解析する新サービス、分野横断の専門部署発足

分野横断の専門部署、来月発足

兼松は自動車関連の新ビジネス創出を目指す。車載機器メーカーと協力し、運転時の車両データを人工知能(AI)で解析し、安全運転や燃費改善など新技術の開発を加速させながら、新サービスの立ち上げにつなげる。このため、4月に次世代モビリティーの開発部署を発足させ、2024年までにビジネス化を図る。

兼松は自動車、航空機部品を扱う営業部門からメンバーを集め「車両・航空統括室次世代モビリティ事業開発課」を4月1日に新設する。分野横断的にアイデアを持ち寄り、新事業を創出する。

技術開発では2月に買収したデータ・テック(東京都大田区)と協力する。データ・テックは走行時の速度や運転時間を記録するデジタルタコグラフなど安全運転を支援する車載器やサービスを手がけており、車両の動作計測・解析ノウハウを有する。

デジタルタコグラフからの運転時のビッグデータ(大量データ)を人工知能(AI)で解析し、安全運転や事故予知・削減、燃費改善に向けたアルゴリズムを開発する。インターネット経由で車載部品にそのアルゴリズムを提供するサブスクリプション型ビジネスを視野に入れる。

同社の宮部佳也専務執行役員は「現在の中期経営計画の最終年度である24年を(事業化の時期の)一つの目安にしたい」と話す。車両・航空部門副部門長の小泉浩一執行役員は「将来的にはセンシング技術の開発も目指す」とする。

調査会社の富士経済(東京都中央区)によると、インターネットと接続するコネクテッドカー(つながる車)は、35年までに全世界で9420万台販売される見通し。19年の約3倍の販売台数に伸長すると予測される。

日刊工業新聞2020年3月3日

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