廃液量30分1に削減。トヨタが開発したメッキ処理装置がすごい
トヨタ自動車は、従来方法に比べ廃液量を約30分の1に抑えられるメッキ処理装置(写真)を開発した。メッキの必要な部位にのみ、スタンプを押すように処理を施す世界初の技術を採用。現在主流の多数の水槽に部品をまるごと浸す工程が不要となり、処理時間の短縮や設備のコンパクト化にもつながる。今後2―3年は試験販売を実施し、2023―24年ごろの本格販売を目指す。
新装置は電極や溶液、固体電解質膜などを備えたヘッド(装置の先端部分)を加工対象物(ワーク)に圧着することで、任意の部位にだけメッキ処理を施せるのが特徴だ。トヨタが開発した技術を真空プレスメーカーのミカドテクノス(長野県箕輪町)に供与し、同社が装置を生産していく。兼松が販売する。
装置の外形寸法は、幅約1メートル×高さ約2メートル×奥行き約1メートル。装置の小型化で消費電力も抑えられ、二酸化炭素(CO2)の排出も約3分の1に減らせるという。
日刊工業新聞2020年6月30日