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“ワンマンタイプ”からバトンを受け継ぐダイヘン新社長は「冷静沈着な技術屋タイプ」

“ワンマンタイプ”からバトンを受け継ぐダイヘン新社長は「冷静沈着な技術屋タイプ」

会見する蓑毛次期社長(左)と田尻社長

ダイヘンは24日、蓑毛正一郎取締役常務執行役員(58)が4月1日付で社長に昇格する人事を内定したと発表した。田尻哲也社長(66)は代表権を持つ会長に就く。V2Xシステム、ワイヤレス充電システム、溶接・接合などの環境関連分野、産業用ロボットなどの現場改善分野を軸に開発投資して、社会課題に向き合う「研究開発型企業」を目指す。

蓑毛常務は技術畑で、半導体製造装置向け電源の開発に従事。その後は技術開発本部長として全ての事業を技術面で統括してきた。

同日の会見で簔毛常務は、「自由闊達(かったつ)な雰囲気でチーム力を上げる。その上で開発分野をある程度絞り込む」と方針を示した。新体制の下で、2021年度からの新中期経営計画を本格始動する。

【略歴】蓑毛正一郎氏 87年(昭62)阪大院工学研究科電子工学専攻修了、同年ダイヘン入社。13年取締役、14年技術開発本部長、17年取締役常務執行役員。鹿児島県出身。

■素顔/ダイヘン社長に就任する蓑毛正一郎(みのも・しょういちろう)氏 冷静沈着な技術屋タイプ

半導体製造装置向け電源の開発に従事していた30代前半、電力消費量を大幅に削減できる電源装置を開発。半導体業界における省エネトレンドを先取りした。「完成を目指して時間をかけるよりも、やりながら最適な方法を探す方が、性に合っている」と語る冷静沈着な技術屋タイプ。

コスト管理を徹底して中堅重電メーカーからの脱却を果たしたワンマンタイプを自認する田尻哲也社長。次のステージに進むには、調整タイプが不可欠だと判断した。こうした思いに応え「若い技術者たちと議論しチーム力を上げていきたい」と語る。社員の自発性を引き出し、経営判断していけるか問われる。

誠実さ、実直さは折り紙つき。「仲間の一生懸命な姿に、すぐに涙腺が緩む『感激屋』だ」と田尻社長は評する。学生時代はサッカーに没頭。スポンサーをつとめるセレッソ大阪のイベントにはたびたび参加する。(大阪・園尾雅之)

日刊工業新聞2021年2月25日

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