1600度の超高温溶融で乾電池を100%リサイクル、JFE条鋼が着々と実績

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リサイクルする使用済み乾電池は累計8万トンを超えた

JFE条鋼(東京都港区、渡辺誠社長、03・5777・3811)は、使用済み乾電池のリサイクル事業で自治体への提案を強化する。電気炉を使えば残渣(ざんさ)がなく、低コストで100%再生利用できる特徴を訴求し、乾電池の調達量を増やす。同社は1月末に乾電池のリサイクル量が、累計8万2000トンを超えた。家庭から出る乾電池のリサイクルに限ると推計シェアは25―30%まで高まっているという。廃棄物を安定的に調達し、再資源化事業を普通鋼に並ぶ収益の柱に育てる。

鹿島製造所(茨城県神栖市)で積極的に自治体に提案し、東日本地区でのリサイクル量を伸ばす。入札契約を視野に、組合などにも理解の促進を進める。一大市場の首都圏を擁し、潜在的な需要が見込める東日本地区の強化が課題だった。

JFE条鋼は乾電池リサイクルを2003年度に水島製造所(岡山県倉敷市)、17年度に鹿島製造所で始めた。これまでのリサイクル量の内訳は、自治体・組合から(一般廃棄物)が約5万8000トン、企業から(産業廃棄物)が約2万4000トンで、単3形電池換算で36億本程度になるという。実績のある自治体・団体は300を超す。取り扱い実績の比率は直近1年間で水島が65%で、鹿島は35%となっていた。

各製造所は製鋼用電気炉を持ち、1600度Cの超高温溶融で乾電池を100%リサイクルできる。原料別の解体・選別が不要で、残渣が発生することで埋め立て処分を要する事業者に比べて、環境負荷と費用を低減できるのが特徴だ。

乾電池は主にジャケット部が鉄、正極がマンガン、負極が亜鉛で構成される。一般焼却炉では従来、残渣が発生し、処理が困難とされてきた。いずれの資源も日本では輸入に依存するため、リサイクルへの期待が高まっているという。

JFE条鋼は一般焼却処理が難しいトナーカートリッジやスプリングマットレスなどのリサイクルも強化する。

日刊工業新聞2021年2月22日

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