フジクラがクーデターの影響でミャンマー撤退を半年延期!
フジクラは、ミャンマーで手がける電線・ケーブルの供給と敷設を一貫して提供する事業からの撤退時期を6カ月延期し、2022年3月期までに完了させる。当初は21年9月までの予定だったが、クーデターの影響で、受注済みの電線・ケーブルの敷設工事に遅れが出るため。ただ、残工事の遅れは、業績には影響しない見込み。
同社は、15年に現地企業との合弁会社「バロンズ・アンド・フジクラEPC」を設立。電線・ケーブルの供給と敷設工事の設計・施工を一貫して提供する「EPC事業」を手がけてきた。
しかし、収益を伸ばせず、20年6月に同国含む海外EPC事業からの撤退を表明した。撤退時期は明らかにしていなかったが、当初は21年9月までに完了予定だった。
合弁会社にはフジクラが4割強、現地パートナーのバロンズ・マシナリー・アンド・エンジニアリングがその残りを出資。フジクラは合弁解消に向け、同社側の持ち分譲渡の交渉を進めている。
伊藤雅彦社長は「ミャンマーは海外EPCの中でも伸びると期待していた。ただ、現地パートナーへの施工能力の継承が容易ではなく、想定以上にリソースを投入しないといけないことがわかった」と説明する。
フジクラは、20年3月期の当期赤字が385億円と過去最大。20年9月に事業再生計画「100日プラン」を策定し、人員削減や海外拠点の統廃合などに取り組んでいる。ミャンマー合弁事業からの撤退はその一環。
日刊工業新聞2020年2月22日