日本でも必ず売れる!マルサンアイが狙う「第3のミルク」

マルサンアイ・渡辺邦康社長インタビュー

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マルサンアイ公式インスタグラムより

健康志向の高まりや完全菜食主義者(ビーガン)の増加を背景に、世界的に植物性ミルク市場が急拡大している。そうした中、国内で豆乳シェア2位のマルサンアイは2020年12月に約10億円を投じ、富山県立山町に5カ所目の豆乳生産拠点を整備。牛乳、豆乳に次ぐ「第3のミルク」ではアーモンドミルクの売り上げを伸ばしつつ、3月にオーツ麦が原料のオーツミルクに参入する。渡辺邦康社長に足元の状況や今後の方針を聞いた。

―豆乳市場が拡大しています。

「以前は健康志向の顧客によって売り上げが伸びたが、近年は豆乳鍋が定着するなど調理用として無調整豆乳を使うシーンも増えている。コロナ禍でも自宅で調理する機会が増え、むしろ需要は伸びた。高齢者が多かった消費者の年齢層も変化し、最近ではスポーツ選手に商品を提供し、プロテイン補給として需要を喚起している」

―富山で新たに豆乳生産を始めました。

「富山では豆乳原料のバルクをつくり食品原料として供給する。例えば卵焼きに使うとふっくらと、ハンバーグに入れるともっちりと仕上がるようだ。現在、バルクを安定供給できるメーカーは少ない。当社もバルク供給の売上高は豆乳全体の5%程度。いろいろな食品メーカーに売り込み、日本の食品をもっとおいしくしたい。設備の生産能力は当社の豆乳製品で使う量の4、5倍の規模とした」

―第3のミルクも注目されています。

「現在、アーモンドミルクと甘酒を展開している。アーモンドミルクはアーモンドが濃くてお求めやすい価格帯の『毎日おいしいローストアーモンドミルク』を筆頭に20年9月期は前期比29%増の10億円を売り上げた。今春にはオーツミルクを発売する。必ず日本でも伸びる。国内生産、日本人が好む味という点を売りにする」

―豆乳の派生商品も拡充しています。

「豆乳でつくったヨーグルト『豆乳グルト』とチーズと同じように使える『豆乳シュレッド』が好評だ。牛乳アレルギーのお子さんにも喜んでもらえる。豆乳のヨーグルトは他社も追随して扱うようになったが、乳酸菌自体も植物性なのは当社だけ。牛乳でできるものはすべて豆乳でできると考え、植物性チルド商品を拡大していく」

渡辺邦康社長
【記者の目/日本人好みの味が普及のカギ】

欧米ではブームを通り越して定番となっている第3のミルク。オーツミルクは特に欧州で人気だが、日本ではまだなじみが薄い。マルサンアイはアーモンドミルク並みの市場規模になると見て新規参入する。普及へのカギは、やはり味だろう。日本人の好みに合わせた商品がブームの火付け役となれるか、注目される。(名古屋・岡林里奈)

日刊工業新聞2021年2月16日

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