ターゲットはミレニアル&Z世代、「みんなの銀行」は若年層を取り込めるか

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個人向けサービス画面(イメージ、みんなの銀行提供)

30代以下取り込み狙う

【個人向けに営業】

みんなの銀行は「国内初のデジタルバンク」を掲げ、30代以下の取り込みに動く。5月下旬にモバイル専業銀行として個人向け営業を始める計画で、母体である地銀の枠を超えて全国に金融サービスを広げる。また、銀行システムの外部提供でも収益を得る。「先にやった者が勝つ。『ファーストペンギン』を目指す」と、横田浩二頭取は力を込める。

みんなの銀行は、ふくおかフィナンシャルグループ傘下で、2020年12月に銀行業免許を得た。使命はデジタル特化の新銀行。システムをアクセンチュア(東京都港区)と構築し、グループ地盤の九州を飛び出て首都圏を中心に展開する。

ターゲットは1981―95年生まれのミレニアル世代、96―2010年以降に生まれたZ世代だ。両世代を幼少期からデジタルに親しむ「デジタルネーティブ世代」と位置付け、行動特性に合わせたサービスを提供する。

【SNS感覚】

みんなの銀行のロゴを掲げる横田頭取(左)と永吉副頭取

顧客との接点はスマートフォン。片手で操作できてシンプルな「SNS(参加交流型サイト)感覚の金融サービス」(永吉健一副頭取)として商品設計した。対面や紙といったフリクション(わずらわしさ)を徹底的に排除。口座開設は24時間365日、オンラインのみで完結する。キャッシュカードもない。

シェア(共有)を通じた顧客拡大を見込むほか、ユーザーの声を集めて改善を続けるなど、文字通り「みんな」の銀行を目指す。

永吉副頭取は「両世代は30年にはメーンになる。刺さるサービスを今つくらないと、異業種やGAFA(グーグル、アップルなど米IT企業4社)に取られる」と危機感を強める。開業3年目の目標に個人顧客120万口座、預金残高2200億円、ローン残高800億円を掲げる。

業種間競争には銀行の強みを生かす。横田頭取は「銀行しか扱えない預金はデータの宝庫。顧客のプロファイリングをマーケティング、与信管理、リスク管理に使える」と説明する。ユーザーごとに最適化したメッセージを表示し、残高が減ればローンを案内して貸し出すことも可能だ。

【機能切り分け】

さらに「外部データとつながることで未来の銀行の実現が見えてくる」という。外部連携や販売では「BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)」と位置付けて積極的に進める。銀行システムも重要な商品だ。ローマ数字の「III」に似たロゴマークには、個人向け・API(応用プログラムインターフェース)・システム外販という収益基盤の3本柱の意味も込めた。

外部システムと連携するAPIでは預金や決済、送金といった機能を切り分けて企業に提供する。導入企業は大きな開発なしに、従業員や消費者に高度な金融サービスを提供できる。また、銀行システム自体は金融機関を含めた顧客に国内外で販売していく考えだ。

グループ内のシステム開発体制は東京と福岡に約50人。今後2―3年で最大3倍まで増強する。3年目の単年度黒字化に向け、3本の“大黒柱”をしっかりと作り込んでいく。(西部・三苫能徳)

日刊工業新聞2020年2月12日

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銀行

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