電動アシスト自転車用向け燃料電池開発!世界トップレベルの性能を実現

日邦プレシジョンと山梨大が開発

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電動アシスト自転車向けに出力250ワットの燃料電池スタックを開発

日邦プレシジョン(山梨県韮崎市、古屋正次社長)は、山梨大学燃料電池ナノ材料研究センターの飯山明裕特任教授(同センター長)などと共同で、電動アシスト自転車向けに出力250ワットの燃料電池(FC)スタックを開発した。2月中に電動アシスト自転車に搭載して耐久性などを試験する。観光用途などでの採用を狙うほか、駐輪場向けの充電システム開発なども予定する。

同FCスタックは100%国産でFCセル25枚で構成し、同じく山梨県に本社を置くエノモトが開発したガス拡散層(GDL)一体型金属セパレーターを搭載した。積層したセパレーターを両端から挟み込み水素の供給口を備える金属製ホルダーや冷却フィンなどを自作して製造コストを下げた。サイズは幅90ミリ×奥行き57ミリ×高さ160ミリメートルで、ファンを含む本体重量は約1キログラム。「重さ1キログラム当たり300ワット、容積1リットル当たり300ワット出力程度と、世界トップレベルの性能を実現した」(古屋俊彦副社長)という。

燃料タンクの内容積1・1リットルの水素ボンベは200リットルの水素を貯蔵可能。電動アシスト自転車への実装に際しては、小型の二次電池と同FCスタックの連動制御システムを、既存の電動アシスト自転車の二次電池に置き換えて使用する。

商品化に向けて自転車メーカーとの話し合いも進行中だ。ただ、現時点ではFCスタックの組み立てもセルの検査も手作業のため、自動化装置の開発などが量産化に向けた今後の課題になる。

また、2月中に県内の水素・燃料電池実証実験施設のある米倉山(甲府市)で20メガパスカル圧での純水素供給が始まる見込みのため、県にも働きかけて観光用途などでの採用を狙う。普及に向けて同FCスタックを活用した駐輪場向け充電システムなども開発する。

3月3日から東京ビッグサイトで開催の第17回水素・燃料電池展(FC EXPO)で公開する予定。(甲府)

日刊工業新聞2020年2月8日

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