225社の中から選ばれた最優秀ベンチャーは細胞培養の「インテグリカルチャー」

モーニングピッチスペシャル

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インテグリカルチャー羽生雄毅CEOによるプレゼンの様子

デロイトトーマツベンチャーサポートと野村證券が開催しているベンチャーと大企業を結ぶピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」の特別版「Morning Pitch Special Edition 2021」が28日にオンラインで開催された。

2020年に開催されたモーニングピッチ全45回、登壇ベンチャー225社の中から選ばれた8社によって、審査員6人の評点で決まる最優秀賞、視聴者投票で選ばれるオーディエンス賞をめぐってプレゼンテーションが行われた(8社は以下の通り)。

(1)ノーコードで異なるSaaS同士を接続するプラットフォーム「Anyflow」
 (2)VRでコミュニケーションができるビジネス向けサービス「Synamon」
 (3)電話を使ったオンライン営業システム「ベルフェイス」
 (4)商品をスキャンせずに買い物ができる無人決済システム「TOUCH TO GO」
 (5)デジタル上の本人確認サービス「TRUSTDOCK」
 (6)コスト1万分の1で細胞培養「インテグリカルチャー」
 (7)対象物を360度どこからでも見られる自由視点映像「AMATELUS」
 (8)ビルメンテナンスを行う遠隔操作のアバターロボット「Mira Robotics」

そして最優秀賞にはインテグリカルチャーが選ばれた。細胞培養を研究する同社の技術の強みは、既存の方法に比べてコストが1万分の1以下で細胞培養ができること、培養する動物・細胞の種類を問わないこと、遺伝子改変や成長因子の添加を行わずに細胞培養が可能であり、法令への適合や消費者の安心感を獲得できることなどが挙げられる。

今年の12月には、この技術で成形した培養フォアグラの提供を開始する予定だ。羽生雄毅CEOは培養肉の将来的な展望について「見たこともないようなクリエイティビティーな世界があると思う。牛肉だけど脂が魚でヘルシーとか、藻類が混ざっている緑色のスーパーミートとか。しかもこれは食品に限った場合の話。非食品も含めると色々な展開があり得ると思う。」と語った。

また、オーディエンス賞にはTOUCH TO GOが選ばれた。阿久津智紀社長は「JR東日本発の社内ベンチャーだが、最終的には完全に独立した新規株式公開(IPO)を目指している。昔は日本の大企業もスタートアップだった。もう一度日本企業を元気にするために、大企業からスタートアップを生み出し、ソニーから生まれたエムスリー、住友商事から生まれたモノタロウのように時価総額1兆円を超える企業を目指し、日本企業の新しい形を作りたい。」とプレゼンを締めくくった。

審査員を代表してスカイマークの佐山展生会長は、
 「今回のコロナ禍で起きたように、一時的に縮んだ需要が回復して供給を上回った時の隙間や、時代の変化によって生まれた新たな需要に、スピード勝負で対応できることが大企業にはないベンチャーの強み。
 今までに色々なベンチャーを見てきたが、スタートが大事だ。仲間の仲が良ければ良いほど、安定して伸びていくように思う。また、創業者の最大のメリットは事業が軌道に乗った時に、自分にもメンバーにもメリットがある形にできること。どのような形で資金調達をしたか、株式はどのくらいのパーセンテージを占めるのか。資本構成は企業が小さいうちから考えることが何よりも重要だ。」
 と登壇したベンチャー8社に向けて総評コメントを述べた。

モーニングピッチは2013年1月の開始から今年で8年を迎えた。開催は累計350回超えを数え、登壇したベンチャーは1200社以上。そのうちの45社以上が新規上場を果たした。現在は新型コロナの影響で毎週木曜日、朝7時からオンラインで開催している。

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

熊川京花
東京支社編集部
記者

「変化にスピードでついていけるのがベンチャーの強み」まさしく、その言葉の通り、これから大活躍しそうな技術がずらりと並ぶプレゼンでした。モーニングピッチの今まで・これからのテーマ、登壇ベンチャーをおさらいすると、日本のビジネスの流行の歴史を感じられそうですね。

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