住友電工が車載用リチウムイオン電池のリード線を東欧で生産する理由

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住友電気工業が生産するタブリード。欧州市場向けに東欧で供給体制を構築する

住友電気工業は車載用リチウムイオン電池から電気を取り出すリード線「タブリード」を東欧で生産する。既存のワイヤハーネス工場の活用などを軸に計画を詰めており、2021年9月までに投資額や生産時期などを決める。国内工場でも生産能力を21年度に19年度比2・5倍に引き上げる計画。電気自動車(EV)など環境対応車の需要が増えている欧州市場向けに現地の供給体制を構築していく。

タブリードはパウチ型と呼ばれる車載電池セルから電気を取り出すリード線。住友電工は絶縁性や長期信頼性の高い製品を車載電池用に供給している。

現在は子会社の「住友電工電子ワイヤー」(栃木県鹿沼市)が本社工場で素材を作った後、中国の工場で加工して製品に仕上げている。国内工場では20年9月までに30億円超を投じてタブリードの素材の生産能力を増強した。世界的に生産が増えるEVやハイブリッド車(HV)など電動車両向けの需要増に対応する。

東欧は自動車メーカーの需要を受けた電池メーカーから現地供給体制の要望がある。東欧は既存のハーネス工場などの空いている場所を有効活用する見通しだ。

住友電工はタブリードや耐熱電線などを含む電子ワイヤー事業の20年10月―21年3月期売上高が前年同期比7・0%増の約353億円となる見通し。20年4―9月期は耐熱電線が自動車向け需要の落ち込みで苦戦したが、下期は回復傾向にある。タブリードは新型コロナウイルス感染拡大の影響にかかわらず、好調が続いている。

日刊工業新聞2020年12月21日

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