日本電磁測器がEVモーター用の着磁装置を増産、国内外の受注見込む
日本電磁測器(東京都立川市、笠原有仁社長、042・537・3511)は、電気自動車(EV)駆動用モーターに使う永久磁石向け着磁装置の増産体制を整える。国内外でEV需要の増加が見込まれることや事業継続計画(BCP)の観点から、長野県箕輪町に工場を取得した。総投資額は約5000万円。増産対応により、2026年1月期に20年1月期比約35%増の売上高25億円を目指す。
取得した工場は、かつて取引のあった企業が保有していたもので、18年に事業譲渡を受け蛍光磁粉製造などを引き継いでいた。今回、土地・建物を購入して建屋を改装し、2月から着磁装置生産を本格稼働する。工場の敷地面積は7156平方メートル、メーン工場の延べ床面積は約500平方メートル。箕輪工場では同装置に加え、非破壊検査機器も扱う。
工場取得により着磁装置製造は本社工場と近隣の第2工場、箕輪工場の3拠点体制となる。同社はEV向け着磁装置製造に10年超のノウハウを持ち、着磁に必要な治具の着磁ヨークは高効率・耐久性が強み。大型モーター対応では風力発電用も視野に入れている。
従来の主力製品であったHDD(ハードディスク駆動装置)やロボット、工作機械に使われる中・小型モーター向けも底堅く推移している。笠原社長は「(EV向け着磁装置は)今後、中国・欧州メーカーへの提案に力を入れたい」としている。
日刊工業新聞2021年1月26日