VRで危険作業や事故を体験! ダイフクが中国での人材育成を強化

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VRシステムを使って危険な作業を体感できる

ダイフクは中国で、顧客の現場に納入したマテハン機器を適切にサポートする人材育成を強化する。中国・上海市の工場内に開設した社員向け訓練施設で安全運用に関する講座を追加。3月をめどに本格始動し、2022年3月期中に延べ約160人の現地社員を受講させる。機器の据え付けや保守といった業務の安全品質を向上。中国で堅調な物流・自動車業界向けマテハン事業の成長を後押しする。

ダイフクは20年9月、中国・上海市の工場内に社員向け訓練施設「大福中国トレーニングセンター」を開設した。約3億円を投じ、物流業界向けの自動倉庫や自動車業界向けのオーバーヘッドコンベヤーなどを設置。実機を使った技術訓練や安全講習を、現在まで延べ約50人が受講した。

安全講習では高所作業訓練用の設備や、作業物落下事故を疑似的に体感できる仮想現実(VR)システムなどを導入。3月以降、安全運用に関する講師養成の講座を新設するほかVRで体感できるコンテンツも拡充する。

中国では全般的な内需拡大に加えて、電気自動車(EV)市場拡大に伴って新たな部品需要が生まれ、自動車産業のサプライチェーン(供給網)などで設備投資が加速。中国におけるダイフクの物流業界向けマテハン機器の売上高は、22年3月期に前期比2割増を見込むなど、堅調さが続いている。

一方で、現地社員の安全管理に対する意識は低く、作業現場での事故の多発が課題となっている。今後は日本国内で運用実績を積んできたトレーニングセンターのノウハウを生かして、中国における安全品質のレベルを高める計画だ。

ダイフクは海外売上高比率が65%(20年4―9月期)と高い。コロナ禍で国境を越えた人の移動が制限される中、現地社員の育成は一段と重要になる。今後は事業規模が拡大中のタイなどでも、独自のトレーニングセンターを検討する。

日刊工業新聞2021年1月19日

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