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【独自調査】見えないコロナ終息、中堅・中小企業100社が最も活用した支援策は?

【独自調査】見えないコロナ終息、中堅・中小企業100社が最も活用した支援策は?

コロナ関連支援策を活用する中堅・中小は多い(イメージ)

日刊工業新聞社が中堅・中小企業経営者100人に政府や地方自治体が実施している新型コロナウイルス感染症関連支援策の活用状況について聞いたところ、71%が「活用した」と回答した。「活用しない」は27%。「その他・無回答」が2%だった。政府や地方自治体は新型コロナ感染拡大の影響を受けて、売上高が大幅に減少し、業績が低迷している企業を支援しようと、法人に最大200万円を給付する「持続化給付金」をはじめ各種給付金や補助金、資金繰り支援など多種多様な支援策を実施しており、多くの中堅・中小企業が活用した格好だ。

新型コロナ感染症関連支援策(複数回答)で活用が最も多かったのは「雇用調整助成金など雇用関連支援」で51人。次いで、「資金繰り支援」が32人、「持続化給付金」が23人、「在宅勤務支援」が10人の順。コロナ禍の経済活動の停滞により、雇用情勢が悪化していることなどから、特例措置による「雇用調整助成金」など雇用関連支援の制度を約半数が活用した。コロナ禍で売り上げが減り、資金繰りの不安から、公的金融機関や信用保証協会などの資金繰り支援を活用した企業も多かった。

一方、新型コロナによる経営に対する影響がいつまで続くとみているか、尋ねたところ、「21年10―12月」の32%が最も多かった。「22年中」が18%、「わからない」が17%、「21年7―9月」が15%、「21年4―6月」が14%、「23年以降」が2%、「21年1―3月」が1%、「その他・無回答」が1%の結果だった。

最も多かった「21年10―12月」にそれ以降の「22年中」と「23年以降」を合計すると、経営者の半数を超える52%となり、新型コロナの影響が長期化するとみている。欧米でコロナワクチンの接種が始まり、治療薬の開発も進んでいるが、変異種の感染が確認されており、新型コロナの収束時期は見通せず、先行き不透明感は払拭(ふっしょく)できない。

政府は7日に新型コロナの感染拡大が続いている東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に緊急事態宣言を再発出する方向で検討している。緊急事態宣言の再発出で経済活動の停滞が懸念されている。新型コロナの感染拡大防止と経済活動の両立で、緩やかながら景気の回復を期待したいところだが、感染拡大前の景気に戻るのには時間がかかるとみられる。政府や自治体の支援策の延長や大幅な拡充が望まれる。

日刊工業新聞2021年1月6日

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