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新型コロナに負けない高度な公衆衛生を!阪大などが1月に研究会

新型コロナに負けない高度な公衆衛生を!阪大などが1月に研究会

銅コーティングの事例。ステンレスの取っ手(上段左)に溶接を応用したコーティングを行う

大阪大学接合科学研究所の塚本雅裕教授は、日本企業の技術を結集して高度な公衆衛生を実現する「スマートカントリー構想」について2025年の大阪・関西万博を視野に具体化を目指す。感染症リスクの少ない環境整備が狙い。大手製造業へ呼びかけを進め、国を上げての取り組みへ発展させたい考え。

構想の柱は、日亜化学工業や島津製作所、古河電気工業などと開発した「高輝度青色レーザーによる銅コーティング」技術。ドアノブや手すりなど大勢が触れる場所にマイクロメートル(マイクロは100万分の1)級の高精度でレーザー溶接を応用してコーティング。全体を銅製品とするより低コストで、シートなどの貼り付けに比べ耐久性が高い。銅は抗菌やウイルス不活化効果が確認され、今後新型コロナウイルスの早期不活化についても詳細に検証する。紫外線や光触媒など不活化効果が期待できる他技術の結集も構想する。

1月中旬をめどに、普及に向けた研究会を立ち上げる見込み。複雑な形状にも高品質なコーティングを実現するため、金属大手や工作機械大手などに参画を呼びかける。ユーザーでは自動車や鉄道車両、住宅部材などからの参加も期待。効果検証のため石川県工業試験場や医学系研究機関の協力も得る計画だ。

日刊工業新聞2020年12月24日

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