日立が英エレベーター市場に参入!中国工場から輸出で価格競争力が武器に

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日立が英国で初めてエレベーターを納入したホテル「メイフェア・タウンハウス」

日立製作所は昇降機事業で英国市場へ参入した。試験的な位置付けで受注したエレベーターを12月に初めて納入。これを契機に、2021年から本格的に販売に乗り出す。鉄道事業で急速に向上した現地での日立のブランド力とともに、中国工場などで生産する価格競争力の高い製品で勝負をかける。スイスのシンドラーなど“ビッグ4”の牙城である欧州市場へ挑戦する。

日立製作所と日立ビルシステム(東京都千代田区)は英ロンドン中心部の高級ホテル「メイフェア・タウンハウス」向けに機械室レス標準型エレベーター2台を納入した。日立ブランドのエレベーター納入は英国だけでなく、旧ソ連を除く欧州全体でも初めてだという。19年に試行的に受注していた。

日立は17年に英国で他社製昇降機の保守サービスを手がけるテンプルリフツ(ロンドン市)を買収。英国全土で5500台以上の保全を実施している。買収をきっかけにエレベーター販売でも参入機会をうかがい、市場調査などを続けてきた。テンプルの顧客網を活用しつつ、日立の鉄道事業とも連携して事業拡大を目指す。

日立は世界のエレベーター販売の半分以上を占める中国市場でトップシェアを誇る。中国工場から量産効果でコスト競争力の高い製品を英国へ輸出し、シンドラーとフィンランドのコネ、独ティッセンクルップ・エレベーターの牙城に切り込む戦略だ。

英国市場は日本で一般的な昇降機とサービスをセットで提供するメーカー保守が少なく、他社製品を扱うテンプルのようなサービス専業が多い。その分業体制のおかげで昇降機自体の価格は比較的高値で維持されており、日立も採算が合うと判断して事業展開に本腰を入れる。同様の市場構造にある欧州の他国や米州などへの進出も検討する。

日立は21年度に昇降機中心のビルシステム事業の売上高を19年度比約5%増の6200億円以上に引き上げる計画。新地域での拡大が成長に欠かせない。


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日刊工業新聞2020年12月22日

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