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ジェイテクトがルーマニアに自動車向け生産設備導入へ、ブレグジットに備え

ジェイテクトがルーマニアに自動車向け生産設備導入へ、ブレグジットに備え

ジェイテクトのルーマニア工場

ジェイテクトはルーマニア工場に自動車のハブユニットの生産設備を導入し、2022年3月期中に稼働する。欧州連合(EU)内のユーザー向けにハブユニットを供給する。現在、欧州市場向けは全量を英国の軸受工場で生産している。EU離脱(ブレグジット)に対応するのが狙い。投資額は19億円。

ルーマニアの生産子会社は「コーヨー・ルマニア」(アレクサンドリア)。現在はシングルボールベアリングやテーパーローラーベアリングを生産している。現在、関連設備を導入するなどして生産準備を進めている。

ハブユニットは車体と車輪をつなぐ重要部品。欧州向けの生産は現在、英国の軸受生産子会社「コーヨー・ベアリングス・ヨーロッパ」(バーンズリー)が担当。欧州大陸から部品を調達し、切削、研磨、組み立てを同工場で行っている。英国自動車メーカー向けの一部を除き、EU内のユーザーに供給している。ルーマニアでの生産開始後も、英国向けには同工場から供給する。

欧州には世界首位と第2位の軸受けメーカーがあり、ジェイテクトにとっては特に受注競争が厳しい地域。ブレグジットにより英国工場からのEU向けの製品輸出には関税がかかり、価格競争力に影響する懸念がある。EU域内での供給体制を整え、市場の深掘りを進める方針。

日刊工業新聞2020年12月15日

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