生産性向上へ動くジェイテクト、軸受工程を再編
ジェイテクトは産業用軸受の主力生産拠点となる国分工場(大阪府柏原市)で、老朽化した工場棟群を改修するとともに、工場棟間で交錯している各工程を製品別に再編する。工場内に100以上ある生産ラインのうち約半数の再編を2021年6月までに終える。19―21年度の3カ年での投資額は約100億円。価格競争が激化する汎用品は地方工場に移管し、国分では生産性を3割高めながら高付加価値品に特化する。
国分工場は旧光洋精工時代の1938年(昭13)に完成した。現在は生産品の約3分の2が機械向けなどの産業用途で1個からの受注もある。自動化が難しく、長年拡張を重ねた結果、各製品の工程が分散し、公道間を行き来する場合もあるなど物流が不効率になっていた。
部品の切削加工までは外注に頼り、国分工場では熱処理、研磨、組み立てを担当している。この各工程を製品別に近くに集めて「整流化」し、効率化する。熱処理炉も現在はバッチ式だが、連続処理炉や熱処理不要の技術も開発中で、エネルギー消費の面でも効率化を目指す。
今後の生産性向上に伴い、現在約900人いる従業員を将来は600人に絞る計画だ。同社は全社で「当面、売上高が2割減っても利益を出せる体質を目指す」方針。工作機械を生産する刈谷工場ではすでに整流化をほぼ終えた。軸受事業でも工場再編による体質強化を急ぐ。
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日刊工業新聞2020年11月24日