リコー・キヤノン…相次ぐ「脱ハンコ」、電子契約を急ぐ

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弁護士ドットコムのクラウドサインのイメージ

事務機器大手が“脱ハンコ”で電子契約へ相次ぎ移行する。リコーは、来春からプリンターなどの販売契約に電子署名を導入する。キヤノンマーケティングジャパン(MJ)は、電子署名サービスの弁護士ドットコムと組んで、契約業務の電子化を支援するサービスの提供を10日に始める。自社内でも一部商品の販売で電子契約を先行導入した。コロナ禍によるテレワークの広がりを背景に、業務効率化の動きが広がる。各社は、自社内で培った文書管理などのノウハウと電子署名サービス会社の技術を組み合わせ、電子契約サービスを加速させる。

リコーは、来春から全国で電子署名サービスを導入する。愛知県、三重県、山口県、長崎県の4県では先行導入を開始済み。まずはレーザープリンターやパソコンなどの販売契約で始め、2021―22年をめどに主力のオフィス複合機の販売契約にも電子署名を導入する方針だ。

電子署名サービスは弁護士ドットコムの「クラウドサイン」を採用。同サービスと既存の販売管理システムをつなぐ「電子契約連携システム」を新たに開発し、見積書の作成から販売契約の完了までオンライン上で完結できるようにした。顧客はパソコンやタブレットなどで署名・押印が可能となる。コロナ禍でテレワークが浸透しつつある中、顧客先への対面訪問を減らす。5年で200万時間超の削減を見込む。

キヤノンMJは、契約内容の検討から社内承認申請、契約締結手続き、契約書の保管、閲覧・検索まで一貫して電子化する「契約業務支援サービス」の提供を始める。弁護士ドットコムのクラウドサインを中核に、キヤノンMJの高速開発基盤や文書管理システム、その他企業のサービスを組み合わせた。価格はオンプレミス(自社保有)版で1000万円から。顧客企業ごとのニーズに合わせてソリューションとして提供する。大企業向けで22年に100社への導入を目指す。

契約業務に関わる工程を一貫して電子化するサービスは珍しいという。契約業務に関する一連の流れに、従来は1週間かかっていたところ、2―3日に短縮できる見込みだ。業務の簡素化により、印紙代や人件費などの費用削減も期待できる。

コニカミノルタは21―22年をめどに複合機の販売を電子化することを検討中。富士ゼロックスは米ドキュサインの電子署名サービスの導入を始めた。

日刊工業新聞2020年12月4日

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