化粧品業界の需要ツール「クチコミ」、SNSをヒントにどこまで進化する?

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「共感」で利便性を体感

近年、化粧品業界向け口コミ情報サービスでは、広告効果を一段と高めるための進化が見られる。

以前から、化粧品業界で口コミはマーケティング上、重要なツールである。化粧品を購入する際の情報収集は、店頭の商品に加えて、口コミサイトやアプリがある。若年層の女性では、口コミサイトやアプリに加え、ツイッターやインスタグラムなどの会員制交流サイト(SNS、ここでは広義の口コミと捉える)からも情報を集めることが多くなり、店頭の商品そのものの情報よりも、SNSでの口コミを参照する傾向にある。

こうしたSNS活用という最近の特徴を踏まえ、化粧品の口コミ情報サービスには二つの進化が見られる。

一つ目は、口コミが「ヒト」を軸にするようになったことだ。従来の口コミ情報は個々の化粧品に対し、不特定多数のユーザーがコメントする形式だった。

近年はコメントする特定の「ヒト」をフォローし、その「ヒト」の発信する口コミを追いかけ、時には直接コミュニケーションを取りながら情報を得られる口コミサイト(アプリ)が誕生し、成長している。

二つ目は、口コミのパーソナライズ化である。一般の口コミサイトは、最新の投稿から順番に閲覧していくタイプが多い。自分の欲しい情報か、信用できる情報かの取捨選択はユーザー自身で行う必要がある。一方、パーソナライズ化した口コミ情報サービスでは年齢や属性、口コミの質(いいねの数や発信者のフォロワーの数など)に応じ、個々のユーザーにとって有用と考えられる口コミが自動的に上位に表示される。

つまり、同じ商品でもユーザーによって見える口コミが違うのである。

この二つの進化によって、化粧品ではユーザーが「共感」しやすい口コミを容易に数多く見られるようになったため、口コミをメディアやコミュニケーションツールとして楽しむ機会や、情報サービスとして利便性を体感する機会が今後も増えるだろう。

今回は化粧品業界の事例を取り上げたが、ほかの業界でも応用が利く可能性は大いにあろう。進化を続ける口コミ情報サービスに注目したい。

◇野村証券 フロンティア・リサーチ部 ヘルスケア/化粧品/アパレル担当 杉本佳美

成長が期待される業界を調査し、産業調査レポートを通じて外部に発信している。スタートアップと大手企業のマッチングを促進し、事業成長やIPOを支援する。

日刊工業新聞2020年12月2日

キーワード
口コミ 化粧品

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